JIFAでは、新型コロナ感染防止支援事業として、「BOSON 最速高感度抗体検査キット」を提供し、新型コロナ感染防止に寄与するとともに、在日アジア青年の支援等の親善交流活動に役立てております。
このたび、2020年12月25日、消費者庁から、[新型コロナウイルスの抗体検査キット使用後の注意]が公表されました。 そのなかで、「抗体検査キットを使用した結果、陰性と判定されても、現在、感染していないことが判定されたわけではありません。外出する際には、十分な感染症対策をお願いいたします。」との注意喚起がなされています。また、12月25日付で、景品表示法
に違反(優良誤認表示)するおそれがある販売事業者6社に対して行政指導がなされました。
日本では、新型コロナウイルス簡易抗体検査キットは体外診断用医薬品として承認されていません。 そのため、粗悪品が輸入され、一部に出回っているようですが、BOSON社の最速高感度抗体検査キットは、70ヶ国以上に50万キット/日が生産・供給され、IgM抗体及びIgG抗体について、感度、正確度、特異性、他ウイルスの干渉性、精度、安定性等ともに優れたものと評価されています。詳しくは、Xiamen
Boson Biotech Co.,Ltdの技術レポート「Performance Characteristics Study Report(PDF17頁)」をご参照ください。
とはいえ、わが国では体外診断用医薬品として承認されておりませんので、ご利用に際し、「診断」や「感染の判定」に用いることはできないことにご留意くださいますようお願いいたします。
(註)消費者庁の「陰性と判定されても、現在、感染していないことが判定されたわけではありません」という注意喚起は、PCR検査や抗原検査についても同様と考えられます。
①PCR検査
PCR検査は、ウイルス量、採取部位、時期等によって偽陰性率が大きく変動することが知られています。
日本疫学会は、「Kucirka ※らの結果から感度を示すとすると、感染から8日目(症状発現の3日後)に偽陰性割合が最も低くなり、その値が、20% (95%信頼区間:12% ― 30%)となることから、感度として一番よい値になるのが、感染から8日目(症状発現の3日後)の80%(95%信頼区間:70%-88%)となります」とQ&Aで紹介しています。
※Kucirka LM, Lauer SA, Laeyendecker O, Boon D, Lessler J. Variation in
False-Negative Rate of Reverse Transcriptase Polymerase Chain Reaction–Based
SARS-CoV-2 Tests by Time Since Exposure. Annals of Internal Medicine. 2020.
https://www.acpjournals.org/doi/10.7326/M20-1495
米国ジョンズ・ホプキンズ大学のLauren M. Kucirka氏らの1330例のプール解析研究※では、PCR検査の偽陰性率は、発症後3日目(感染後8日目)に20%と最も低くなることを明らかにし、著者らは、偽陰性の可能性を最小限にするために、検査は発症から3日間待って実施すべきとしています。Lauren
M. Kucirka氏らは、偽陰性率(感染していても陰性となる率)は、感染1日目が100%、感染4日目が67%、発症日(感染5日目)は38%、感染8日目(発症から3日目)の偽陰性率は20%と最低、9日目から増加し、21日目に66%であったと報告しています。
このことは、「陰性と判定されても、現在、感染していないことが判定されたわけではない」点について、PCR検査でも同様であることを示しています。
②抗原検査
空港検疫等で使用されている抗原検査についても、感度が50~90%といわれ、空港検疫時には「陰性」であっても、その後陽性となる場合があります。最近では、抗原検査で「陰性」であったイギリスからの入国者が、後日「陽性」が判明し、遺伝子解析の結果、感染力の高い変異ウイルスであることが確認された事例があります。
このことは「陰性と判定されても、現在、感染していないことが判定されたわけではない」点について、抗原検査でも同様であることを示しています。